TKUスーパー耐久レースinオートポリス

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TKUスーパー耐久レースinオートポリス

12月12〜13日 オートポリス(大分県)
予選:曇り/ドライ 入場者数:2,000人
決勝:晴れ/ドライ 入場者数:3,050人
ナチュラルチューニング☆クスコ☆NATS(マツダロードスターND5RC)
小松寛子/猪爪杏奈/岡原達也/金井亮忠

今季最後のレースで2位入賞! S耐史上初、女性ABドライバーが表彰台に!

 マツダファンエンデュランスシリーズ(マツ耐)やロードスターパーティーレースIIIを戦ってきたiCraft(猪爪俊之:監督)は、2020年より新たなステージとなる、PIRELLIスーパー耐久シリーズに参戦。激戦区として知られるST-5クラスに、マツダロードスター「ナチュラルチューニング☆クスコ☆NATS」で挑むことになった。なお参戦にあたり、日本自動車大学校(NATS)の支援を受け、学生たちがマシンを製作し、メカニックを担当する。
 当初の予定では8月にシリーズ第4戦として開催されるはずだったオートポリスのスーパー耐久であったが、コロナ禍でスケジュールの大幅な変更を余儀なくされシリーズ第5戦に、しかも真夏から真冬の12月に季節まで改められての開催となった。
 ここまで4戦すべてでポイント獲得しているのは5チームだけ。そのうちの1チームとあってランキングも上昇中で、前回のもてぎで6位に入ったことで8位にまで浮上することとなった。このあたりのシリーズポイントは僅差で、今回の結果によってはさらなる躍進が可能である。
 なお、前回欠場の猪爪杏奈が戦列に復帰。しかも激戦のKYOJO-CUP優勝という、土産まで持ち帰ってきた。今回はレギュラーの小松寛子、猪爪、岡原達也、金井亮忠の4人体制での参戦となる。

公式予選

 第5戦の舞台、オートポリスは小松と猪爪にはレース経験があるものの、チームと岡原はもとより、経験豊富な金井にとっても実は今回が初レース! それだけに「やっとオートポリスに来られました!」と金井は感慨深げだった。
 木曜日から走行を開始し、走り始めとなったスポーツ走行から、金井は2分13秒131をマーク。持ち込みのセットに外しがなかったのが確認されたばかりか、金井の適応力の高さが改めて証明されることに。その後はチームメイト3人の習熟に重きを置いて走行が重ねられるとともに、さらなるセットの詰めが行われていった。
 土曜日の予選を前に、FCY(フルコースイエロー)訓練と併せて行われた、フリー走行では猪爪が2分13秒150を記録して2番手に。準備は万全。ところが、続いて行われた予選では、Aドライバーの小松が走りに精彩を欠き、2分14秒台で歩み止まってしまう。ラストアタックで2分14秒347を絞り出したものの、10番手という結果に。
 これに対して、猪爪は練習走行の好調ぶりを、Bドライバー予選でも維持。2分12秒台の連発の後、2分12秒038と11秒台にあと一歩と迫るタイムを記録し、5番手につけることに。その結果、合算タイムでは9番手となった。
 この後に行われたCドライバー予選では岡原が2分14秒876で7番手、そしてDドライバー予選で金井が2分13秒353でトップだった。

小松寛子
 まだまだオートポリスに慣れていなくて、速く走れない所があったので、個人的には落第点です。2回か3回ぐらいオートポリスの経験はあって、その時よりは成長しているんですけど、やっぱり上はまだまだ遠いなと感じました。

猪爪杏奈
 オートポリスは2年前に走りました。トップ2台には追いつけなかったですが、11秒台で3位は狙えるポテンシャルのあるクルマだったと思います。できることはこれ以上ないので、決勝はチーム戦略に任せて自分の仕事をちゃんとやれればと思っています。

決勝レース

 第5戦も全クラス混走の5時間レース。日曜日の早朝にもウォームアップが行われ、ここでは金井のみ走行し、2分13秒246で5番手につけるとともに、決勝に向けた最終チェックも完了する。好天に恵まれたものの低い温度に対処するため、決勝のフォーメーションラップは通常より2周多く行われた。
 「ナチュラルチューニング☆クスコ☆NATS」の金井は、オープニングラップで11番手に順位を落とすが、これは想定どおり。混乱を防ぐのと自分たちのペースで走ることを心掛けたからだ。それでも5周目には10番手に上がり、前走車の後退、そして10周目のオーバーテイクで7番手に躍り出る。その後しばらくポジションキープで周回を重ねていく。
 前を行く車両がピットに入るたび順位を上げていく金井は、1時間40分経過した44周目には、ついにトップに浮上! そのままほぼ2時間走り続けて47周目に、ようやくピットイン。ここでは給油だけ行い、金井をそのままコースに送り戻す。ロスを最小限としたことで、3番手にポジションを留めることとなった。
59周目から74周目は岡原の担当。タイヤ無交換でしっかり想定どおりのタイムで周回を重ねていく。続いて乗り込んだのは猪爪で、92周目には2番手にまで浮上する。そこでチームは一大勝負に打って出る決定をし、ラスト1時間を再び金井に託したのだ。
 その時点でトップとの差は1分強。しかし、ピットストップは4回しか行っておらず、そのまま最後まで走りきれるとは思い難い。ピットインしてくれれば勝機も訪れるはず!とプッシュを続けた。しかし、トップ車両は121周目にピットインしスプラッシュ給油を行うも、残念ながら金井は20秒ほど届かず。それでもトップ同様、オートポリスの5時間レースとしては記録更新となる129周を走破して2位でフィニッシュ! 
 女性ドライバーふたりが表彰台に上がったのは、1996年のスーパーN1耐久シリーズ時代の三原じゅん子選手と佐藤久実選手以来で、スーパー耐久シリーズに改められてからは、初めての快挙ともなった。

 悲願の表彰台獲得によって、「ナチュラルチューニング☆クスコ☆NATS」はランキングでも6位に浮上。年明けの1月23日に鈴鹿サーキットで最終戦が行われるが、これには不参加のため、今回が今シーズン最後のレースとなった。最高の締めくくりとなったのは、皆さまの応援、支援あってこそ。短いシーズンではありましたが、ありがとうございました!

小松寛子
今回、私は走るかどうか分からなかったのですが、最終的にはチームの判断で出ないことになりました。それでも2位になれて表彰台に立てたので、本当に良かったと思います。

猪爪杏奈
決勝で乗った時にKYOJO-CUPの師匠(69号車:窪田俊浩選手)が後ろにいて、絶対引き離そうという思いで走っていて、実際に引き離すことが出来たし、ミスなくいいペースで走れたので、良かったと思います。

岡原達也
タイヤ無交換で、結果的に予選からずっと使っているタイヤでの走行でしたが、予定どおりのペースで走れたので、やっとドライバーとして貢献できたかなと思います。このまま表彰台の常連になれればいいいですね。

金井亮忠
 もてぎに続き今回もレギュレーションで認められたリミット近くの約3時間を担当させてもらいました。前半はあまり無理をせずに燃費も稼ぎつつ、タイヤもできる限り交換しないで行くつもりだったのでロングスティントを労わりながら走ったという感じでした。後半の方が燃費もタイヤの消耗も気にする必要がなかったのでアベレージとしては高い速度で走れたのかなと思います。最後までクルマもタレずにいいフィーリングで走れて本当に良かったです。

猪爪俊之監督
 学生たちは1月だと試験や就職の準備などいろいろ行事があるので、次の鈴鹿は行けない事が先日決まりました。今季のラストレースで2位表彰台に乗れて良かったです。実はある人と「女子ふたりを絶対に表彰台に連れて行くから!」と約束していたんですよ。みんなのおかげで最後に実現できて本当に良かった。来年は速さにも磨きをかけて優勝を狙いに行きます!